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改正育児介護休業法の施行に向けて、準備を始めましょう

◆大きく変わる育児休業制度

来年4月1日から改正育児介護休業法が施行され、「パパ育休」が新設されるほか、労働者に対する会社の育児休業制度に関する情報提供、育児休業を取得するか否かの意向確認が必要になったり、育児休業の分割取得ができるようになったりします。

当然、育児介護休業規程の見直しや制度利用に関する社内書式の整備が必要となりますが、それだけではありません。

 

◆労使協定の締結も必要

現在は雇用期間によっては育児休業が取得対象外となっているパートタイマー等について、改正により取得要件が緩和されます。そのため、引き続き雇用された期間が1年未満の人を取得対象とするか否か、労使協定を締結して決定する必要があります。

 

◆会社の制度を周知する資料の作成等も必要

上記のとおり、改正法施行後は、労働者本人またはその配偶者から妊娠・出産等の申出があった場合、制度に関する情報提供や育児休業取得に関する意向確認が事業主の義務とされます。情報提供は、規程を渡すだけでは不十分で、育児休業の申出先や育児休業給付、休業期間中の社会保険料の取扱いに関する情報の提供も必要です。

資料が既に用意されている場合は、所定の要件を満たしているかをチェックすれば済みますが、新たに作成する場合は、会社がどのような制度を設けているのか、明文化されていないものの見落としはないかなど、確認して作成する必要もあります。

 

70歳までの継続雇用制度を考えるにあたって

◆70歳までの就業機会の確保

高年齢者雇用安定法の改正により、2021年4月から70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となっています。この対応として、70歳までの継続雇用制度を導入する企業も多いでしょう。ただ、これまでの65歳までの継続雇用制度とは違った点も考慮に入れる必要がありそうです。

 

◆体力と意欲

年齢と共に身体機能は低下します。65歳から70歳に近づくにつれ、関節性疾患やガンなどによる受療率はかなり高まるとされています。また、身体機能や健康状態の個人差も大きくなってくる年代です。

65歳までの継続雇用制度では、定年後の業務内容として、60歳時(定年時)と同じとするケースが多いようですが、改正法へ対応を考えるにあたって、単純に年齢を70歳までにすればよいという訳にはいかないでしょう。

また、定年前と同じ業務内容としているケースでは、定年後の処遇と職務を十分検討していないケースも多く、退職時期だけが先送りになったような恰好になれば、労働者の仕事への意欲や満足感も低下してしまいかねません。

 

◆他人事ではなく

継続雇用を機に、後進の育成など企業が期待する業務を担当してもらう、専門性を生かした業務を継続してもらうなど、定年後の処遇の変化と併せて、単純に年齢で区切るのではなく個人に合わせた継続雇用制度の設計が求められます。そのためには、若い世代も巻き込んだ制度設計・見直しが必要となるでしょう。

 

◆マルチジョブホルダー制度が来年からスタート

65歳以上の労働者に関する新しい制度が、来年1月から始まります。複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して所定の要件を満たす場合に、労働者本人がハローワークへの申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者となることができる制度です。

企業は、労働者からの依頼に基づき、手続きに必要な証明を行う必要がありますので、厚生労働省のHPなどで事前に確認しておくことをお勧めします。

就活生の企業選びとSDGs~(株)ディスコ調査結果から

◆SDGsとは?

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、 2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに達成すべき、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。「持続可能な世界」を実現するために進むべき道を具体的に示した指標であり、17のゴール・169のターゲットから構成されています。発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、積極的に取り組む企業も増えています。

 

◆SDGsへの取組み度合いと就職志望度の関連

企業のSDGsへの取組みは、人材採用の面にも影響があるのでしょうか。

就職志望度と関連についての調査があります(※)。それによると、SDGsに積極的に取り組んでいることが、その企業への志望度に「影響する」と回答した学生は、「とても影響する(志望度が上がる)」「やや影響する」を合わせて4割を超えており(計41.2%)、就活生の社会貢献への関心の高さがうかがえます。

 

◆入社予定企業が取り組めると思うもの

同調査によると、入社予定企業が貢献できると思う項目としては、「産業と技術革新の基盤をつくろう」(47%)「働きがいも経済成長も」(46.1%)が圧倒的に多く挙がりました。そして、「すべての人に健康と福祉を」(32.6%)、「住み続けられるまちづくりを」(34.8%)、「つくる責任つかう責任」(29.1%)、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」(28.3%)、「ジェンダー平等を実現しよう」(20.9%)などが続いています。

傷病手当金の支給期間が改正されます

◆傷病手当金とは

傷病手当金は、健康保険の被保険者が病気やケガの療養のため連続する3日間を含み4日以上仕事に就くことができず、給与支払いがない場合に、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

支給期間は、支給を開始した日から最長1年6カ月です。この1年6カ月には、復職し再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合の、復職した期間も含まれます。

 

◆改正により支給期間を通算化

令和4年1月1日から、この支給期間が通算化され、療養中に復職し再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合、復職期間を除いて支給期間がカウントされることとなります(具体的な支給期間の計算方法は、令和3年11月中に明らかになる見通しです)。

 

◆仕事と治療の両立をしやすくするための改正

通算化されることとなった理由は、がん治療など入退院を繰り返して療養する患者が柔軟に傷病手当金制度を利用できないとの問題点が指摘され、支給期間が通算化されている共済組合と取扱いを合わせるべき、などの意見もあり、見直されることとなったものです。

 

■両立支援に取り組む会社に対する支援

会社による仕事と治療の両立のための取組みとしては、新たに休暇制度を導入したり健康づくりのための制度を導入したりする等があり、こうした取組みが要件を満たす場合には、助成金の対象となる可能性があります。

白ナンバーの事業者もアルコールチェックが義務化

これまで緑ナンバーの物流業において実施されてきた「点呼」や「アルコールチェック」を、

2022年4月より、白ナンバーで、一定台数以上の車両を保有する事業所にも義務化するようです。

 

対象となるのは、乗用車なら5台以上、定員11名以上の車両なら1台以上を保有している事業所、

すなわち安全運転管理者を選任して警察に届け出し、教育を施す義務がある事業所です。

 

改正予定内容として、白ナンバーでも上記に該当する事業所は、

 

・運転の前後に、運転者に対して目視およびアルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認すること。

・目視およびアルコール検知器による確認の記録をデジタルデータや日誌等で1年間保存すること。

・正常に機能するアルコール検知器を常備すること。

 

が必要なるとなる予定です。

 

実施していないことに対する罰則は設けられないようですが、

コンプライアンス、リスクマネジメントの観点からも、

対応していくことが必要となります。

健康保険の被保険者証 保険者から被保険者に直接交付可能に

◆改正の趣旨

健康保険制度における被保険者証等については、保険者から事業主に送付し、事業主から被保険者に交付すること等が義務付けられていますが、テレワークの普及等に対応した柔軟な事務手続を可能とするため、保険者が支障がないと認めるときは、保険者から被保険者に対して被保険者証等を直接交付すること等が可能となります(10月1日から)。

 

◆主な改正点

① 被保険者証の交付について、保険者が支障がないと認めるときは、保険者が被保険者に直接送付することができることとされます。

② 被保険者証の情報を訂正した場合における被保険者証の返付について、保険者が支障がないと認めるときは、事業主を経由することを要しないこととされます。

③ 被保険者証の再交付について、保険者が支障がないと認めるときは、事業主を経由することを要しないこととされます。

④ 被保険者証の検認又は更新等を行った場合における被保険者証の交付について、保険者が支障がないと認めるときは、保険者が被保険者に直接送付することができることとされます。

⑤ 高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証及び限度額適用・標準負担額減額認定証の交付方法等について、①~④に準じた改正が行われます。

 

◆被保険者証等の返納については、事業主経由を省略できない

厚生労働省のQ&Aによると、被保険者証等の返納については、事業主経由を省略できません。被保険者が資格を喪失したときは、これまでと同様に、事業主は遅滞なく被保険者証を回収して保険者に返納しなければなりません。

「小学校休業等対応助成金・支援金」が再開されます

感染症対策においてワクチン接種が進んではいるものの、未だ感染拡大の勢いは止まらず、最近では若年層(10代)におけるクラスター発生も耳にするようになってきました。そのような傾向もあり、令和2年度に実施されていた「小学校休業等対応助成金・支援金」制度が再開される予定です。

 

◆「小学校休業等対応助成金・支援金」制度の対象

【支給対象者】

・子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く。)を取得させた事業主

・子どもの世話を行うことが必要となった保護者であって、委託を受けて個人で仕事をする者

【対象となる子ども】

① 新型コロナウイルス感染症への対応として、ガイドライン等に基づき、臨時休業等をした小学校等(*)に通う子ども

*小学校等:小学校、義務教育学校の前期課程、特別支援学校、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園等

② 下記ⅰ)~ⅲ)のいずれかに該当し、小学校等を休むことが必要な子ども

ⅰ)新型コロナウイルスに感染した子ども

ⅱ)風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある子ども

ⅲ)医療的ケアが日常的に必要な子どもまたは新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患等を有する子ども

【対象となる休暇期間】

令和3年8月1日以降12月31日までに取得した休暇

*令和3年7月31日までに取得した休暇については、「両立支援等助成金 育児休業等支援コース 新型コロナウイルス感染症対応特例」の対象。

 

◆労働者からの申請

事業主が休業させたとする扱いに同意することを条件に、労働者が直接申請することも可能となる予定です(令和2年度と同じ)。

【厚生労働省「小学校休業等に伴う保護者の休暇取得支援について」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20912.html

 

テレワーク定着についての課題は?~令和3年版「労働経済白書」より

◆テレワークの今

2020年初頭から全世界で猛威を振るい、日常生活に多大な影響を与えている新型コロナウイルス感染症ですが、2020年4月には、感染拡大地域を対象に初めて緊急事態宣言が出され、これをきっかけとして、多くの企業でテレワークが導入されました。

テレワークを日常的に行っていた企業では大きな混乱はなかったものと思われますが、付け焼き刃の整備で始めた企業では、現在の感染拡大の最中においても、テレワークをやめて出社勤務が主となっているところも少なくないようです。

 

◆導入した企業の継続割合

厚生労働省が公表した「令和3年版 労働経済の分析」(労働経済白書)では、「新型コロナウイルス感染症の拡大による雇用・労働への影響」として「テレワークを活用して働いた労働者についての分析」が示されています。

そこでは、2020年4、5月には企業のテレワーク実施割合は5割を超えていたものの、同年末には3割程度に減少しており、特に2020年2~5月に初めてテレワークを活用した企業では、感染拡大前からテレワークを実施していた企業よりも継続割合が低いことが指摘されています(2021年2月時点の継続状況:感染拡大前から活用経験がある企業90.4%、2020年2~5月に初めて活用した企業71.7%)。

 

◆定着に向けた課題

テレワークの運用・実施状況別にみた企業の課題としては、「出社時と比べて、職場の人とのコミュニケーションが取りづらい」(73.8%)、「業務の性質上、テレワーク可能な業務を切り出すことが 難しい」(49.3%)、「個人の業務の進捗や達成度の把握が難しい」(55.7%)、「社員がテレワークするための環境整備が難しい(使用PCの台数確保や、テレワーク回線、セキュリティの問題等)」(41.6%)などが挙げられますが、運用状況別にみると、「うまく運用できていない」企業においてこれらを課題として挙げる割合が高いことが指摘されています。

 

◆会社ごとの課題に応じた模索が必要

労働経済白書では、「テレワークの活用経験がある企業や労働者の割合が比較的低い業種でも、テレワーク継続率が高い場合があることを踏まえると、業務の性質にかかわらず、テレワーク定着の可能性があることがうかがえる」とも分析されています。「うちの業種ではテレワークはできない」と決めつけずに、自社での最適で有用な手段を模索していくことで、労使双方により良い効果をもたらすことができるでしょう。

「副業・兼業の促進に関するガイドラインQ&A」の改訂版が公表されました

◆改訂の経緯

平成30年1月に厚生労働省より「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)が公表されました。このガイドラインの公表にあたっては、補足資料として「副業・兼業の促進に関するガイドライン(Q&A)」(以下、「ガイドラインQ&A」という)も作成されました。

令和2年9月にガイドラインは改定されていましたが、今年7月、ガイドラインQ&Aの改訂版が公表されました。

 

◆ガイドラインQ&Aの改定内容

このガイドラインQ&Aは、労働時間管理等、健康管理、労災保険の給付について9個のQ&Aで構成されていましたが、改訂版では28個に増え、より具体的かつ網羅的に解説されています。

特に、実務上疑問の声が多い労働時間管理については、自社と副業先で従事する業務に適用される労働時間制度が異なる場合(変形労働時間制、裁量労働制、フレックスタイム制など)における通算の考え方や、法定休日、1週間単位での通算の仕方について等の考え方も明記されています。

また、ガイドラインで示している簡便な労働時間管理の方法(管理モデル)を導入する場合の労働時間の管理や、時間外労働の上限規制の遵守、割増賃金の支払いについても解説されています。

 

副業・兼業を認めている会社は、ガイドラインとあわせて、改訂されたガイドラインQ&Aをしっかり確認しておくとよいでしょう。

【参考】厚生労働省「「副業・兼業の促進に関するガイドラインQ&A」PDF

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000473062.pdf

新型コロナウイルスワクチン接種証明書の申請受付 7月26日より

◆当面は海外渡航限定

欧州の主要国を中心に、新型コロナウイルスワクチンの接種証明書の提示により、いわゆる水際対策を緩和する動きがあることを受け、日本でも7月26日から市区町村において接種証明書発行の申請受付が開始されることとなりました。

7月12日の内閣官房長官記者会見によれば、接種証明書の提示により防疫措置の緩和等が認められる国や地域に渡航する場合に限って申請してほしいとされています。

 

◆接種証明書の内容

6月25日に内閣官房が開催した自治体向け説明会資料によれば、接種証明書には、新型コロナウイルスワクチンの接種記録(ワクチンの種類、接種年月日など)と接種者に関する事項(氏名、生年月日、旅券番号など)が記載されます。

接種を受けると接種済証が交付されますが、こちらには英語の表記がなかったり偽造防止対策といった課題があったりするということです。

 

◆接種証明書の交付を受けるには?

申請手続のデジタル化も検討されていますが、当面は書類申請のみとされ、窓口か郵送での受付となります。

申請時には①申請書、②パスポート、③接種券、④接種済証か接種記録書、またはその双方が必ず必要となります。

そのほか、パスポートに旧姓・別姓・別名(英字)の記載がある場合は旧姓・別姓・別名が確認できる本人確認書類、代理人による申請の場合は委任状、郵送する場合は切手を貼って返送先住所を記載した返信用封筒も必要となります。

 

◆国によって異なる水際対策

JETROが7月7日に公表している海外各国の水際対策は様々です。EU加盟各国では、接種証明書の提示により陰性証明書の提示や自主隔離等の義務が免除されますが、東南アジア地域では、シンガポールを除いて接種率が相対的に低く、ワクチン証明書に基づく入国制限や入国後の防疫措置の緩和は行われていないということです。

今後、ワクチン接種が進むとビジネスシーンで海外へ赴くケースも増えてくることが考えられますが、渡航前には渡航先がどのような対策をとっているかの確認も求められることとなりそうです。