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産休・育休中の経済的支援かんたん試算ツール」が公開されました

「産休・育休中の経済的支援かんたん試算ツール」とは?

厚生労働省は1月、「産休・育休中の経済的支援かんたん試算ツール」を公開しました。このツールは、利用する従業員(「ママの場合」、「パパの場合」に分かれている)の情報を入力することによって、出産時や育児休業中に受け取れる給付金などの額が簡単に試算できるというものです。

入力する項目は以下のとおりです。

・子どもの出生日(子どもが生まれる前は出産予定日)

・生まれる(た)子どもの人数  ・勤務地  ・給与形態
・休業開始前の給与月額  ・出生後休業支援給付金の申請の有無

 

何が試算できるの?

「産休・育休中の経済的支援かんたん試算ツール」では、以下の金額を試算することができます。

・出産手当金  ・出産育児一時金  ・育児休業給付金

・出生後休業支援給付金  ・社会保険料免除額

「結果を表示する」をクリックすると、それぞれの支給額が算出されます。また、月ごとの支給額(見込み)、給付額、社会保険料免除額、計算根拠等も表示されます。

 

利用の注意点

このツールの計算結果については、あくまで目安であり、実際の給付額を保証するものではありません。また、各制度の要件(被保険者資格、勤務状況、休業期間など)を満たさない場合は支給の対象になりません。

実際に制度を利用するためには、勤務先や健康保険組合、ハローワークなどでの手続きが必要です。詳細な制度内容や申請方法については、厚生労働省や協会けんぽ等のホームページを確認してください。

従業員の出産や育児休業の際に活用してみてはいかがでしょうか。

 

【参考】

産休・育休中の経済的支援かんたん試算ツール

https://shussan.ikukyu-simu.mhlw.go.jp/

4月からの道路交通法の改正により自転車にも青切符

◆4月から自転車にも「青切符」制度が導入

道路交通法の改正により2026年4月から、自転車の交通違反に「交通反則制度」(いわゆる「青切符」制度)が導入されます。この青切符は自動車の交通違反の際に広く行われている違反処理の方法で、今までは自転車には導入されていませんでした。

これまでは自転車の交通違反が検挙されると、いわゆる「赤切符」(飲酒運転など特に悪質性・危険性が高いものに適用)等を用いた刑事手続による処理が行われていましたが、青切符の導入により、手続的な負担を軽減するとともに、違反者に前科がつくことをなくしつつ、実効性のある責任追及が可能となるものとされています。

 

◆青切符により検挙される違反例

青切符により検挙される違反の一例として、信号無視(反則金6,000円)、一時不停止(同5,000円)、携帯電話使用(同12,000円)、制動装置(ブレーキ)不良(同5,000円)等が挙げられます。

青切符導入後も、自転車の交通違反に対しては基本的に「指導警告」を実施し、交通事故の原因となるような、「悪質・危険な違反」は検挙の対象とするとされていますが、検挙の対象が広がったことで、自転車の交通違反については取締りが強化されることになります。

 

◆従業員への周知を

通勤等で自転車を使用する従業員もいるところ、自転車への青切符導入は個人としては当然知っておくべき改正です。一方、業務において重大事故が起こった場合などは、企業に使用者責任が問われるケースなども想定されます。自転車の交通違反への取締り強化が進む中、自転車への青切符導入や、自動車のみならず、自転車の交通違反防止については、ぜひ従業員に周知していきたいところです。

【警視庁「道路交通法の改正について(青切符についても含む)」】

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html

 

もにす認定制度をご存じですか?

もにす認定制度とは、障害者の雇用の促進および雇用の安定に関する取組みの実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度です。認定事業主になると、以下のメリットがあります。なお、認定に有効期限はありません。

 

◆障害者雇用優良中小事業主認定マークが使用できる

事業主の広告や労働者の募集の用に供する広告や商品等に認定マーク(愛称:もにす(企業と障害者が、明るい未来や社会の実現に向けて「ともにすむ」という思いが込められている))を付すことができます。

 

◆周知広報の対象となる

認定事業主の情報は、厚生労働省および都道府県労働局のホームページに掲載されます。また、ハローワークの求人票に認定マークが表示されます。

そのほかにも、公共調達等における加点評価を受けられたり、日本政策金融公庫の低利融資対象となったりする場合があります。

 

◆認定事業主になれるのは?

常時雇用する労働者が300人以下の中小事業主であって、

① 障害者雇用への取組み、取組みの成果、それらの情報開示の3項目について、項目ごとの合格最低点に達しつつ、合計で50点中20点以上を獲得すること

② 法定雇用率を達成していること

③ 過去に認定を取り消された場合、取消しの日から起算して3年以上経過していること

④ 雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと 等

の基準を満たした場合に認定事業主になれます。なお、認定の申請は、事業主の主たる事業所を管轄する都道府県労働局で行います。

 

◆制度見直しの動き

厚生労働省は、もにす認定の基準を、より質を的確に評価する内容に見直し、新たに大企業も対象に加える等の案を、「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」に示しました。今後の制度見直しの動きにも注目です。

【厚生労働省「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/monisu.html

 

子ども・子育て支援金について

全国健康保険協会は、令和7年11月28日に開催された全国健康保険協会運営委員会の資料として「子ども・子育て支援金について」を公開しました。

 

◆子ども・子育て支援金制度とは

子ども・子育て支援金制度は、少子化対策(児童手当の拡充、妊婦への支援給付、こども誰でも通園制度、出生後休業支援給付および育児時短休業給付、国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料の免除)のための特定財源として、令和8年度から10年度にかけて段階的に導入されます。

 

◆開始時期と徴収方法

令和8年4月分(5月末納付分)より、労使折半で子ども・子育て支援金を負担します。医療保険料と同様、毎月の賃金ならびに賞与から徴収されることになっており、産休中や育休中の場合は免除されます。制度の適用開始は、任意継続被保険者も同様です。

 

◆支援金率と年収別の負担額

負担額は、標準報酬月額ならびに標準賞与額に支援金率を乗じて求められます。支援金率は国が一律で定めることとされており、0.24%から段階的に引き上げられ、令和10年度に0.4%になる予定です。被保険者一人当たりの平均負担額は、令和8年度では450円、令和9年度では600円、令和10年度では800円と見込まれています。

 

◆給与明細への表示

こども家庭庁の事務連絡(2025.6.18)において、被保険者から保険料を徴収する際に保険料額の内訳として支援金額を示すことは法令上の義務とはなっていません。ただし、制度への理解・協力を促す観点から、給与明細書には医療保険料等と区別して表示することが望ましいでしょう。

 

従業員への説明や給与明細の修正対応ができるよう、理解と準備をしておきましょう。

【全国健康保険協会「子ども・子育て支援金について」】

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/direction/dai138kai/2025112814.pdf

 

在留資格「留学」から就労資格への変更申請はお早めに

◆出入国在留管理庁が呼び掛け

外国人留学生の来年4月からの採用を予定されている企業の皆様には、早めの在留資格変更申請がお勧めです。出入国在留管理庁は、4月入社を目指す留学生の申請は毎年1〜3月に集中し、書類不足や提出の遅れがあると希望日までに審査が終わらない可能性があるとして、12月1日から1月末までの間に申請するよう呼び掛けています。申請前には出入国在留管理庁のホームページにある提出書類一覧表を参照し、必要書類が揃っているか、慎重に確認しましょう。書類に不足があると結果が出る日が遅くなり、入社手続に影響する可能性があります。

 

◆新たに必要書類の省略が可能なケース

2025年12月1日からは、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」または「研究」への在留資格変更許可申請において、以下のいずれかに該当する場合も提出書類の一部省略が認められるようになりました(派遣雇用は対象外)。対象となるか確認のうえ、申請を行うとよいでしょう。

① 本邦の大学卒業(予定)者(大学院および短期大学卒業者を含む)

② 海外の優秀大学卒業者:3つの世界大学ランキング中、2つ以上で上位300位にランクインしている外国の大学が対象

③ 「留学」から就労資格への在留資格に変更許可を受けた者を現に受け入れている機関において就労する場合:申請人が希望する在留資格を有する外国人(「留学」の在留資格から変更許可を受けた者に限る)が現に当該所属機関に雇用されており、同外国人が当該所属機関において就労中に少なくとも1度の在留期間更新許可を受けている場合が対象

【出入国在留管理庁「在留資格「留学」から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」】

https://www.moj.go.jp/isa/10_00240.html

 

スポットワーク直前キャンセルをめぐる訴訟と厚生労働省のリーフレット

いわゆるスポットワークには企業による直前キャンセルの問題がありましたが、それが司法の場で争われることになりました。飲食店で働くはずだった大学生が、店側のキャンセルに対して賃金を求めて提訴したのです。

 

◆経 緯

川崎市の大学生の男性が提訴して請求した賃金額は1万4,000円でした。男性は5月にスポットワーク最大手のタイミーを通じて東京の飲食店で働く予定でしたが、その前日にスマホでキャンセルの通知を受け取りました。1年ほど前からスポットワークを開始し、毎回異なる飲食店で働いてきた男性にとってキャンセルは初めて。お金を貯めようとしていた男性は別の仕事を探したものの、自宅から通いやすいなどの仕事は見つかりませんでした。それ以降も別の仕事先で直前キャンセルが3件続いた男性は、提訴に踏み切りました。

 

◆双方の主張

男性の原告側は、「マッチング時点で労働契約が成立したとするのが実態に即して合理的だ」などと主張。タイミーが「労働契約は出勤時にQRコードを読み込むことにより締結される」としていることについて、原告側は意図的に休業手当を支払わずにでき、労働基準法に違反するとして、賃金の支払いを求めています。被告である飲食店の経営者は、マッチング時に労働契約が結ばれるという認識はなかったとしています。

 

◆厚生労働省のリーフレット

スポットワークをめぐっては、7月に厚生労働省が「別途特段の合意がなければ、事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立する」との留意点を示したリーフレットを出しました。これを受けて、主要なアプリ事業者は9月に規約を見直しました。

 

今後、スポットワークのビジネスモデルに影響が出るともいわれている裁判の行方が注目されます。

【厚生労働省「いわゆる「スポットワーク」の留意事項等」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59321.html

マイカー通勤手当の非課税限度額が令和7年分年末調整から引上げに?

◆令和7年分年末調整における改正事項

今年の年末調整について、国税庁ホームページでは、(1)「基礎控除」や「給与所得控除」の見直し、(2)「扶養親族等の所得要件」の改正、(3)「特定親族特別控除」の創設、が行われているとして、情報を提供しています。また、「通勤手当に係る非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがあります」とあります。社会保険料の算定基礎にも影響する可能性がありますので、最新情報を確認しておきましょう。

 

◆政府が方針を決定

11月12日、政府が非課税限度額を引き上げる方針を固めたと報じられました。10㎞以上15㎞未満の場合に月額7,100円までから7,300円に、55㎞以上の場合に月額31,600円までから38,700円までに引き上げるとされています。

 

◆ベースは人事院勧告

国税庁ホームページによれば、改正は人事院勧告(令和7年8月7日)を受けたもので、勧告本文では、「民間の支給状況等を踏まえ、200円から7,100円までの幅で引上げ改定を行い、令和7年4月に遡及して実施する」とされています。なお、この実施は11月11日に閣議決定されています。

 

◆令和8年4月以降のさらなる改正も検討

令和8年4月以降のさらなる改正について、税制改正の議論を踏まえて決める方針とも報じられています。

人事院勧告には、「令和8年4月から、上限を『100㎞以上』とし、『60㎞以上』の部分について5㎞刻みで新たな距離区分を設ける」、「1か月当たり5,000円を上限とする駐車場等の利用に対する通勤手当を令和8年4月から新設する」とあります。

【NHK報道「政府 自動車通勤手当 非課税の限度額を引き上げる方針固める」】

【国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和7年分)」】

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm

協会けんぽの手続きに電子申請が導入されます

◆電子申請の導入

9月10日、協会けんぽは、電子申請サイトの開設と「けんぽアプリ」のリリースを行い、マイナンバーカードを利用して本人確認のうえ、手続きを行う仕組みを準備中であると公表しました。

 

◆電子申請による手続きイメージ

資料によれば、傷病手当金や出産手当金、出産育児金、高額療養費などの申請書が対象となっています。マイナ保険証を持っていない被保険者向けに紙の保険証に代わって発行される資格確認書の交付申請書も、対象となっています。

手続きフローとしては、協会ホームページまたは「けんぽアプリ」から電子申請サイトにログインして希望する申請書を選択し、申請情報を入力の上、必要な添付書類は電子ファイルでアップロードするというものが示されています。審査に関する通知もシステム上で行われ、確認画面にステータスを表示することとなっています。

ただし、示されているのは被保険者自身が手続きを行うフローのみのため、会社の担当者や手続きの委託を受ける社会保険労務士がどのように手続きを行うのかは、現時点で明らかにされていません。

 

◆いつから導入される?

資料によれば、令和8年1月からのサービス開始が予定されており、電子申請のほかに健康づくりに関するコンテンツ配信などが予定されています。

その後、検証の上、令和10年1月には「健診予約」や「デジタルな健康手帳」等、加入者の利便性向上に資するプッシュ型の機能の実装と入社と同時に自動的にアプリをインストールするような仕組みを構築するとされていますが、あくまで構想とされています。

【全国健康保険協会「第137回全国健康保険協会運営委員会資料」】

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat720/r07/002/250910/

 

外国人労働者に人事・労務を説明する際に役立つ支援ツール

日本の法制度や雇用慣行は外国人労働者にとっては馴染みのないことも少なくありません。そのため、厚生労働省から、職場のルールを理由や背景も含めて説明し、理解を深めてもらうことを目的とした支援ツールが出されています。

 

◆『外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集』

採用、賃金、労働時間といった9つのテーマをあげ、雇用管理で実際に想定される場面ごとに、①外国人社員に説明する前に読んで理解しておくとよいポイント、②実際に外国人の方にそのまま話したり見せたりできるよう「やさしい日本語」による説明の例が紹介されています。例えば、採用後に労働者が提出する書類について、「日本では、あなたに代わって会社が税金や保険の計算をします。あなたのためにしますから、必要な情報を会社に教えてください。」とルビつきで示されています。

 

◆雇用管理に役立つ多言語用語集

人事・労務の場面でよく使用する労働関係、社会保険関係の用語約420語について、定義・例文を検索できる用語集です。やさしい日本語のほか、9言語(英語、韓国語、中国語(簡・繁)、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、インドネシア語、カンボジア語、タイ語、ミャンマー語、モンゴル語)に対応しています。

就業規則などを外国人労働者に説明する際、理解が難しそうな用語などを検索して、翻訳を提示したり、外国人社員本人が、人事・労務用語の入社前の学習や辞書として活用したりすることが想定されています。

 

◆モデル就業規則ほか

厚生労働省のモデル就業規則は外国語版も出されています。そのほか、日本国内で働く外国人の方に向けた「労働条件ハンドブック」や外国人労働者の労災防止に役立つ教材、資料も整備されています。

【厚生労働省「外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/tagengoyougosyu.html

【厚生労働省「外国人労働者の安全衛生管理」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000186714.html

インフルエンザ予防接種を福利厚生で行う際の留意点

◆インフルエンザが流行シーズンに突入

厚生労働省は3日、令和7年第39週の定点当たり報告数が1.00を上回り、インフルエンザが流行シーズンに入ったことを発表しました。例年より2カ月ほど流行入りが早いことや、昨年の報告数が統計史上最多となった原因として、ワクチン接種率の低下が指摘されていることから、早めの予防接種を推奨することが望ましいと考えられます。

 

◆インフルエンザワクチンについて

毎年の予防接種では、国内・国外の動向を鑑みて流行すると予測された型のワクチンが使用されます。今年度から、日本で使用されるワクチンが4価から3価へと変更されました。これは世界的に検出されていないウイルス株であるB/山形系統を除くとしたWHOの方針に基づいた決定です。インフルエンザワクチンの研究も進んでおり、昨年に製造販売が承認されたワクチンもあるので、専門家と相談して予防接種に使用するワクチンを選択しましょう。

 

◆留意点

予防接種の費用を会社で負担した場合、著しく高額ではなく、業務上必要であり、従業員全員を対象としている場合は福利厚生費として経理処理できます。

しかし、予防接種を強制することはできないことに注意が必要です。インフルエンザ予防接種は法的な強制力がなく、会社が接種を強制することはパワハラ問題に繋がりかねません。また、アレルギーや既往症等による副反応のリスクもあるため、推奨制度を作成する場合はパワハラ防止の周知を含めたトラブル対策を講じましょう。

コロナウイルス等の他の感染症も警戒する必要もありますが、マスクの着用や手洗いといった生活習慣による予防にも限界があります。感染による業務停滞を防ぐには、会社がインフルエンザ予防接種を推奨することも重要です。

【厚生労働省「インフルエンザに関する報道発表資料2025/2026シーズン」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou_00023.html