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法定の歯科健康診断 事業場の人数にかかわらず実施報告が義務に

厚生労働省は、「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について労働政策審議会に諮問し、妥当であるとの答申を受け、省令の改正作業を進めています。

 

◆改正の趣旨

労働安全衛生法において、事業者は、歯またはその支持組織に有害な業務に従事する労働者に対し、歯科医師による健康診断(歯科健康診断)を行わなければならないとしており、その具体的内容について労働安全衛生規則(安衛則)で定めています。

また、安衛則の規定により、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、歯科健康診断(定期のものに限る。)を行ったときは、遅滞なく、定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないこととなっています。

このたび、歯科健康診断の実施状況について、令和元年度に一部地域で実施した自主点検の結果により、常時使用する労働者が50人未満の事業場においては、歯科健康診断の実施率が非常に低いことが判明しました。

そこで、歯科健康診断の報告義務について、実施状況を正確に把握し、その実施率の向上を図るため、事業場の人数にかかわらず、実施報告の義務付けを行うこととされました。

 

◆改正の内容

歯科健康診断を実施する義務のある事業者について、使用する労働者の人数にかかわらず、安衛則第48条の歯科健康診断(定期のものに限る。)を行ったときは、遅滞なく、歯科健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出することとされます。

※現行では、使用する労働者の人数が常時50人以上である場合に報告が必要です。

不妊治療の保険適用と両立支援 ~改訂された厚労省ツールの活用~

◆4月から不妊治療が保険適用に

2022年4月から、一般不妊治療(タイミング法、人工授精)、生殖補助医療(体外受精、顕微授精等)が新たに保険適用されることになりました。

これまでは高額な費用負担等により二の足を踏むケースもあったところ、保険適用により不妊治療に対する社会の理解も高まっていくことが予想されます。

 

◆厚労省も不妊治療と仕事との両立を支援するツールを改訂

不妊治療を行う社員への両立支援を進める企業も増えています。

厚生労働省も、取組みを広く周知するためのツールとして、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」の改訂と、不妊治療を行う労働者と主治医と企業とをつなぐ「不妊治療連絡カード」の様式見直しを行い、公表しています。

  • 不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30k.pdf

  • 不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30l.pdf

  • 不妊治療連絡カード

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30b.pdf

 

◆企業でも両立支援の取組みを考えるきっかけに

マニュアルは企業向けに、両立支援制度導入手順や導入企業の具体的な事例、制度利用者の声、制度運用のポイントなどを解説しており、ハンドブックは労働者向けに、職場での配慮のポイントを紹介し、周囲に不妊治療を受けている労働者がいる場合の理解を深める内容となっています。連絡カードは、治療を受ける労働者が必要な配慮事項等を企業の人事労務担当者に伝えるためのカードです。

不妊治療に関してはプライバシーに属することですので、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことがないようプライバシーの保護には十分配慮する必要があり、そういった意味での留意点も大きいところです。企業としてもこれらのツールを参考に、不妊治療と両立支援に関する対応を考えてみてはいかがでしょうか。

令和4年4月からの年金制度

年金制度改正法(令和2年法律第40号)等の施行により、年金制度の一部が改正されます。4月からどのように変わるのか見ていきます。

 

◆繰下げ受給の上限年齢引上げ

老齢年金の繰下げ年齢の上限が75歳に引き上げられます(現在の上限は70歳)。また、65歳に達した日後に受給権を取得した場合についても、繰下げの上限が10年に引き上げられます(現在は5年)。

 

◆繰上げ受給の減額率の見直し

年金の繰上げ受給をした場合の減額率が、1月あたり0.4%に変更されます(現在は0.5%)。

 

◆在職老齢年金制度の見直し

60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止とならない範囲が拡大されます(支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準が28万円から47万円に緩和。65歳以上の在職老齢年金と同じ基準に)。

 

◆加給年金の支給停止規定の見直し

加給年金の加算対象となる配偶者が、被保険者期間が20年(中高齢者等の特例に該当する方を含む)以上ある老齢、退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合、その支給の有無にかかわらず加給年金が支給停止となります(経過措置あり)。

 

◆在職定時改定の導入

現在は、老齢厚生年金の受給権者が厚生年金の被保険者となった場合、65歳以降の被保険者期間は資格喪失時(退職時・70歳到達時)にのみ年金額が改定されますが、在職中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者について、年金額が毎年1回定時に改定が行われるようになります。

 

◆国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え

国民年金制度または被用者年金制度に初めて加入する方には、「基礎年金番号通知書」が発行されることになります。既に年金手帳を所持している方には「基礎年金番号通知書」は発行されません。

企業で取り組むカスハラ対策

◆カスタマーハラスメントとは?

カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)とは、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為を指します。令和2年1月に「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」が策定され、カスハラに関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組みを行うことが望ましいこと、また、被害を防止するための取組みを行うことが有効であること等が定められました。

 

◆判断基準は企業内で統一

「これってカスハラ?」と従業員が思ったときに、判断基準が曖昧では、対応に遅れが出てしまいます。各企業で、あらかじめ判断基準を明確にしたうえで、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要です。その際は、①顧客等の要求内容に妥当性はあるか、②要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か、という観点が有用です。

 

◆何から始める?

厚生労働省から示されているカスハラ対策の基本的な枠組みは、以下の通りです。

【事前の準備】

① 事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発

② 従業員(被害者)のための相談対応体制の整備

③ 対応方法、手順の策定

④ 社内対応ルールの従業員等への教育・研修

【実際に起こったら】

⑤ 事実関係の正確な確認と事案への対応

⑥ 従業員への配慮の措置

⑦ 再発防止のための取組み

⑧ その他の措置

自社でどのような事例が起こり得るか、現場を含めて検討し、社内でしっかり準備しておきましょう。