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遺族厚生年金の見直しについて

◆年金制度改正法案に対する意見

遺族年金の見直しをめぐり、SNS等に“5年で打切り”“大幅カット”といった投稿がなされ、国会議員に苦情が寄せられていると報じられています。

こうした反応を受け、厚生労働省は6月3日、「遺族厚生年金の見直しに関するご指摘への考え方」を示しました(6月11日更新)。

 

◆既に遺族厚生年金を受給している方等は見直しの対象外

見直しの施行直後に原則5年の有期給付の対象となるのは、18歳年度末までの子がいない、2028年度末時点で40歳未満の女性で、既に遺族厚生年金を受給している方や60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方、2028年度に40歳以上になる女性には、影響はありません。

18歳年度末までの子がいる方は、子が18歳年度末になるまでの間の給付内容は現行制度と同じです。

 

◆「5年の有期給付」について

見直し後は、60歳未満で死別した場合、原則5年間の有期給付となりますが、この給付には加算が上乗せされ、5年有期給付の遺族厚生年金の額は現在の約1.3倍となります。要件を満たす方は、中高齢寡婦加算も支給されます。

また、障害年金受給権者や単身で就労収入が月額約10万円以下の方は継続給付として引き続き増額された遺族厚生年金が支給され、収入が増加するにつれて収入と年金の合計額が緩やかに増加するよう年金額が調整されます。

 

◆遺族厚生年金の男女差の解消

現行では、女性が30歳以上で死別した場合に無期給付となる一方、男性は55歳未満で死別した場合給付がなく、55歳以上で死別した場合、60歳から無期給付となります。

見直し後は、男女ともに収入要件がなくなり、上記の給付が受けられるようになります。

【厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00020.html

令和7年3月卒業者の就職状況と令和8年3月高校卒業予定者の求人・募集スケジュール

◆令和7年3月卒業者の就職率

厚生労働省の取りまとめによると、令和7年3月に高校や中学を卒業した生徒について、令和7年3月末現在のハローワーク求人における高校新卒者の就職内定率は99.0%(求人倍率4.10倍)、中学新卒者の就職内定率は82.6%(同2.67倍)となっています。同じく令和7年3月卒業の大学生の就職率も98.0%となっており、いずれも高水準を維持しています。

 

◆令和8年3月高校卒業予定者の求人・募集スケジュール

令和8年3月大学等卒業予定者の採用選考はすでに本格的にスタートしているところですが、令和8年3月高校卒業予定者の採用選考期日は以下の通りで、6月からハローワークによる求人申込書の受付が始まっています。

○ハローワークによる求人申込書の受付開始……6月1日

※ハローワークにおいて求人の内容が確認された後、学校に求人が提出されます。

○企業による学校への求人申込および学校訪問開始……7月1日

○学校から企業への生徒の応募書類提出開始

……9月5日(沖縄県は8月30日)

○企業による選考開始および採用内定開始……9月16日

 

◆高卒採用のニーズが増加

人手不足で若者の採用が難しくなっている中、近年、高校新卒者の求人数は増加しています。高卒採用は独自のルールが定められていることから注意すべき点も多いですが、企業のニーズに合わせて活用が検討されるところです。

【厚生労働省「令和7年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001491440.pdf

【厚生労働省「令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る

求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(3月末現在)」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001492100.pdf

 

オンライン面接・録画面接の注意点は?

近年の生成AI技術の進化は、人事業務全般の効率化と高度化を急速に促進しています。採用面接時の動画を分析するものなどもあり、これからも生成AIの採用活動への導入が進むといわれています。

 

◆オンライン/録画面接の注意点

コロナ禍以降、オンライン面接(Web面接)や録画面接が広がってきていますが、注意しておきたい点があります。

① カメラ越しでは身振り手振りや微妙な表情変化・雰囲気が捕捉困難であり、評価精度が低下します。対面に比べ応募者の人柄判断が表面的になりやすくなります。

② 機材や通信環境に依存するため、接続トラブルや音声途切れ・映像フリーズが面接の質を低下させます。オンライン面接では、タイムラグが会話リズムを乱すため、面接の質を低下させます。ツール操作に不慣れな面接官/応募者による進行遅延の発生は、印象が悪くしがちです。

③ 緊張感が高まり、機器操作への不慣れが応募者のパフォーマンスを阻害します。2022年の調査ですが「マイナビ学生就職モニター調査」によれば、45.4%の学生が録画面接に苦手意識を持っています。録画面接というだけで忌避される可能性があります。

④ 録画面接では特に、AI解析時のアルゴリズムバイアスやデータ管理問題がリスク要因となります。

以上のことから、対面時に比べ情報が制限され人物の本質を見極めにくい、トラブル要素が多いことなどから、重要な判断には対面による面接が必須と考えたほうがよいでしょう。

 

◆そもそも採用の基準は大丈夫?

しかし、こうした技術的なこと以前に、自社での採用の基準や職場・職務の状況を意識した質問事項がしっかりと作成されており、加えてそれらを面接担当者全員が共通認識として共有できていることは、自社にマッチした人材を採用するための大前提です。採用の精度を上げるためにはソフト面からの見直しも必要です。