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賃金のデジタル払いが可能になります!

令和5年4月1日から、労働者が同意した場合には賃金のデジタル払いが認められることになりました。導入の際は以下の点に留意しましょう。

 

◆今後の流れ

① 2023年4月~……資金移動業者が厚生労働大臣に指定申請、厚生労働省で審査(数か月かかる見込み)

② 大臣指定後……各事業場で労使協定を締結

③ 労使協定締結後……個々の労働者に説明し、労働者が同意した場合には賃金のデジタル払い開始

 

◆事前の協定締結が必須です

賃金のデジタル払いを事業所に導入するには、まずは、雇用主と労働者で労使協定の締結が必要です。その上で、雇用主は以下の事項を労働者に説明し、労働者の項別の同意を得る必要があります。

・受け取り額は適切に設定を

指定資金移動業者口座は、「預金」をするためではなく、支払いや送金に用いるためのものであることを理解の上、支払いなどに使う見込みの額を受け取るようにしてください。また、受け取り額は、1日当たりの払出上限額以下の額とする必要があります。

・口座の上限額は100万円

口座の上限額は100万円以下に設定されています。上限額を超えた場合は、あらかじめ労働者が指定した銀行口座などに自動的に出金されます。この際の手数料は労働者の負担となる可能性がありますので、指定資金移動業者にご確認ください。

・口座残高の現金化も可能(月1回は口座からの払い出し手数料なし)

ATMや銀行口座などへの出金により、口座残高を現金化(払出し)することもできます。少なくとも毎月1回は労働者の手数料負担なく指定資金移動業者口座から払い出しができます。払出方法や手数料は指定資金移動業者により異なります。

・口座残高の払戻し期限は少なくとも10年間

口座残高については、最後の入出金日から少なくとも10年間は、申し出などにより払戻してもらうことができます。

【厚生労働省「賃金のデジタル払いが可能になります!」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001065931.pdf

 

4月から出産育児一時金が増額されます

◆出産育児一時金とは?

出産育児一時金とは、健康保険等の被保険者が出産したとき(妊娠85日以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶)、出産に要する経済的負担を軽減するため、一定の金額が支給される制度です。

 

◆42万円から50万円に増額へ

出産育児一時金の支給額は、公的病院における出産費用等を勘案して定められており、現在は原則42万円(本人支給分40.8万円+産科医療補償制度の掛金分1.2万円)ですが、この4月1日から1児につき50万円が支給されます。

産科医療補償制度とは、医療機関等が加入する制度で、加入医療機関で制度対象となる出産をされ、万一、分娩時の何らかの理由により重度の脳性まひとなった場合、子どもとご家族の経済的負担を補償するものです。

 

◆出産費用の状況等

厚生労働省の令和4年10月13日第155回社会保障審議会医療保険部会資料によると、出産費用(正常分娩)は年間平均1%前後で増加しています。

令和3年度における出産費用(公的病院・正常分娩)の状況を都道府県別にみると、一番高いところで東京都の56万5,092円(平均値)、一番低いところで鳥取県の35万7,443円(平均値)、全国では45万4,994円(平均値)です。

出産費用の増加要因や地域差の要因として、医療費水準や物価水準、私的病院の割合、妊婦の年齢等がありますが、最も大きい要因は地域の所得水準となっています。

 

◆出産育児一時金の支給方法(直接支払制度・受取代理制度)

出産にかかる費用に出産育児一時金を充てることができるよう、協会けんぽまたは健保組合から出産育児一時金を医療機関等に直接支払う仕組み(直接支払制度)があります。出産費用としてまとまった額を事前に用意する必要がないので、被保険者の負担は軽減されます。

また、直接支払制度では、事務的負担や資金繰りへの影響が大きいと考えられる施設(年間の分娩件数が100件以下または収入に占める正常分娩にかかる収入の割合が50%以上で、厚生労働省へ届け出た診療所・助産所)については、医療機関等が被保険者に代わって出産育児一時金を受け取る「受取代理」制度を利用することができます。

令和5年3月大学等卒業予定者の就職内定状況と企業の採用活動の早期化

◆大学生の就職内定率は84.4%、前年同期より1.4 ポイント上昇

厚生労働省と文部科学省は、共同調査している令和5年3月大学等卒業予定者の就職内定状況について、令和4年12月1日現在の状況を取りまとめ、公表しています。

この調査によれば、大学の就職内定率は84.4%(前年同期比1.4ポイント上昇)となっています。また、短期大学の就職内定率は、69.4%(同6.6ポイント上昇)、高等専門学校・専修学校(専門課程)の就職内定率は、それぞれ96.6%(同5.4ポイント上昇)、69.8%(同0.4ポイント低下)となっています。

 

◆令和6年卒の採用活動も本格化

令和6年卒の採用活動についても本格化してきており、リクルートの就職みらい研究所が2024年(令和6年)卒業予定の大学生および大学院生に対して実施した「就職プロセル調査」によると、2月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率は、すでに19.9%(前年同月比で+6.4ポイント)に上っています。このうち内定取得先企業の業種については、例年通り割合が高い順に「情報通信業」、「サービス業」(他に分類されないもの)」、「小売業」と続きますが、前年に比べて他業種の割合が増えているそうです。特定の業界に限らず、全体として企業の採用の動きが早まっていることがわかります。

 

◆早期化する企業の採用活動

現在、人手不足の現状で、早期に採用活動を開始する企業は多く、この傾向はますます強くなることが予想されます。また、いわゆる「就活ルール」など新卒一括採用という慣習も見直しが行われる見通しで、今後、採用活動の在り方については検討していかざるを得ないでしょう。

【厚生労働省「令和5年3月大学等卒業予定者の就職内定状況(12月1日現在)を公表します」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001038335.pdf